プリンターの給紙には、負荷変動に対応したモーター、伝動機構、フィードバック、制御の検討が必要です。具体的な構成は位置決め精度と運転条件に合わせて検証します。
1. プリンター市場の概要
プリンター給紙用モーターは、用紙の種類、搬送速度、起動・停止の頻度、位置決め要求から検討します。伝動機構、フィードバック、制御を合わせて評価し、市場規模の予測を選定根拠にはしません。
給紙モーターは、プリンターや複合機で用紙の搬送と位置決めを担うアクチュエーターです。主な方式は、ステッピングモーター、ブラシ付きDCモーター、ブラシレスDCモーターの三つ。家庭用や入門機では、コストや位置決め精度の面からステッピングモーターとブラシ付きDCモーターが多く使われます。一方、中・上位クラスの業務用プリンターでは、高効率、低騒音、応答性を特長とするブラシレスDCモーターへの関心が高まり、従来方式からBLDCへの置き換えが進んでいます。
給紙機構にステッピング方式を検討する場合は、プリンター用途のPST.39HBステッピングモーターが現行カタログの確認先です。この記事で述べるBLDCモーターやPCB検出回路と同一の製品ではありません。動作プロファイル、トルク・回転数の要件とフィードバックを確認し、方式を比較します。
2. 求められる性能と課題
ブラシレスモーターと制御基板には、印字品質に直結する速度精度と安定性が求められます。同時に、検出精度を高めるほどコストも上がるという課題があります。動作音への関心も高まっており、より滑らかで静かな制御が必要です。
現状の課題は、協調動作の精度とコストパフォーマンスを十分に両立できていないことです。
(1)センサーレス方式:低コストですが、精度には限界があります。
(2)ホールセンサー方式:精度とコストのいずれも中程度です。
(3)磁気エンコーダー方式:十分な精度を得られる一方、高コストで、取り付けも難しくなります。
3. 当社の制御ソリューション
Power Motorは、PCBの配線を速度検出に利用する方式を採用しました。ホールセンサーより高い回転速度の検出精度を得ながら、磁気エンコーダー方式に比べてエンコーダーのコストを抑え、取り付けを簡素化します。速度を精密に把握して滑らかに制御し、印刷時の騒音低減につなげることで、精度、静音性、コストのバランスを取ります。制御基板とモーターを一体化し、お客さまの要件に対応する構成です。
4. 今後の展望
当社は、この方式によって性能とコストのバランスを改善し、既存方式に対する競争力を高めることを目指しています。高性能な印刷技術を幅広い用途へ展開しやすくし、印刷機器の効率、安定性、経済性を高めることで、利用者にとって信頼できる生産環境を支えます。
お問い合わせ
本記事に関連するモーター選定のご相談は、用途、電源、負荷、運転サイクル、取付条件を添えて、お問い合わせページからご連絡ください。
執筆:Power Motor 研究開発部
