ACモーターとギアボックスの組合せについて、用途要件の整理、方式比較、速度・トルクの照合、設計上の制限確認までの選定手順を紹介します。
ACモーターは、方式ごとの特性に応じ、ブレンダー、チョッパー、フードプロセッサー、銅加工機、スライサー、ミキサー、コンプレッサーなど、多くの用途で広く使われています。Power Motorは一般に2種類のモーターを提供しています。
ACユニバーサルモーター
高速・高出力を提供し、おいしい食品を作るブレンディング用途で使われます。
基本的に、モーターとギアボックスは用途に最も合うよう必要に応じて組み合わせられますが、最終的にはギヤードモーター全体が駆動を決定します。ウォーム、平歯車、遊星ギアボックスは、ユニバーサル、永久磁石DC、ブラシレスDCモーターと組み合わせることができ、その組合せは多様です。ただし、すべてが同等ではなく、他より高効率でコスト面でも有利な組合せがあります。用途を理解し、モーターとギアボックスの正確な定格・特性を得ることが、ギヤードモーターをシステムへ統合する基本です。
特定の用途に最適なモーターとギアボックスを選ぶための、簡単な4段階の手順を紹介します。
1. 用途の要件を決めます。「用途チェックリスト」を参照してください。
2. モーター方式を選びます。「モーター早見表」を参照してください。
3. ギヤードモーターの出力速度とトルクを用途に合わせます。「ギヤードモーター性能曲線」を参照してください。
4. 降伏強度とプルアップトルクが用途の要件を満たしていることを確認します。
| 入力電源 | 電圧/周波数(Hz)/最大電流(A)/制御方式(該当する場合) |
| 環境 | 保護等級(IP)/周囲温度/使用温度 |
| ギヤードモーター仕様 | 寸法と重量/期待寿命・保守/騒音 |
| ギヤードモーター性能 | 速度とトルク/始動・拘束トルク/デューティサイクル(オン時間とオフ時間) |
| 一般要件 | 取付方向と形式(端面取付など)/オーバーハング荷重と横荷重/外形寸法/潤滑剤の選定(低温用グリース、食品用グリースなど) |
用途チェックリスト:具体的な要件を整理するために使います。ギヤードモーターと用途を最適に適合させるために必要な重要情報を、供給元が把握できるようにします。
モーターやギアボックスの選定を始める際、設計者は関連する技術要件と商業上の要件を収集する必要があります。集めた設計入力情報を選定に用い、用途に最適なモーターを決定します。適切な入力情報がなければ、意図しない方向へ進むおそれがあります。そのため、モーター仕様の策定には「用途チェックリスト」が役立ちます。これらのパラメーターとプロジェクト固有の要件は、選定を進めるうえで欠かせません。
次に、どのモーター技術が用途に最も適するか検討します。設計入力を基に、意思決定の最初の段階で「モーター早見表」を選定マトリクスとして使えます。この表は一般的な3種類を詳しく示し、それぞれを選ぶ際に考慮する基本情報を提供します。用途には固有の特性があるため、馬力、効率、耐久性、始動トルク、騒音レベルなどのうち、何が最も重要かを決める必要があります。用途の必要速度とトルクを確認すれば、選んだモーターが要件を満たすためにギアボックスを必要とするかが明らかになります。ギヤードモーターが必要なら複雑さが一段増し、追加の評価基準も必要です。
| DC | ACユニバーサル | BLDC | |
| 電圧 | DC | AC | AC、DC(制御) |
| 速度 | 1000~5000 | 1600~3400 | 1000~5000 |
| 馬力 | 中 | 低~中 | 高 |
| 効率 | 60~70% | 40~80% | 65~80% |
| 寿命 | 中 | 非常に長い | 非常に長い |
| 保守 | 中 | 非常に少ない | 非常に少ない |
| 騒音 | 中 | 静か | 非常に静か |
| 速度調整 | 普通 | 良好 | 優秀 |
| 始動トルク | 非常に高い | 低~中 | 非常に高い |



モーター早見表:選定時に使う一般的なパラメーターを比較しています。
ギヤードモーター全体を選ぶ際には、あらかじめ設計されたギヤードモーターを選ぶという迅速な方法もあります。設計時間とプロジェクトリスクを減らせるため、最適な製品を見つける有効な手段です。設計済みの製品では、メーカーがモーターとギアボックスの適切な組合せを確保するための主要な作業を済ませています。メーカーが性能の実現可能性調査と試験を実施しているため、計算違いや不適切な部品組合せによる故障を最小限に抑えられます。モーターとギアボックスの選定が複雑であることを踏まえ、Power Motorはお客さまに最適なギヤードモーターソリューションを見いだすことに注力しています。
改めて「用途チェックリスト」で集めた性能データを見ると、用途に必要な速度とトルクが組合せ選定の鍵となります。設計者はその測定値を使い、用途の要件に合う性能曲線を選べます。「ギヤードモーター性能曲線」は、速度、トルク、効率を示すことで、モーターとギアボックスの性能をまとめています。
最後に、用途を満たしそうな性能曲線をいくつか選んだ後、設計上の制限を確認することが重要です。性能計算の中で次の情報を探し、選んだギヤードモーターが用途内で問題を生じないか判断します。
熱特性
ギアボックスの全負荷トルク
ギアボックスの入力速度
ギアボックスの降伏強度
間欠運転に関する検討事項



ギヤードモーター性能曲線:永久磁石DCギヤードモーターの速度/トルク曲線および効率/トルク曲線
適切なギヤードモーターの選定について詳しい情報や支援が必要な場合は、既製品やカスタム設計サービスについて、当社の営業技術担当へご相談ください。
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執筆:Power Motor 営業部
