技術ガイド

適切なドローン用モーターサイズの選び方

飛行の安定性、効率、搭載能力に合うドローン用モーターサイズの選び方と、産業用、FPV、重量物運搬用UAVに向けたPower MotorのBLDCソリューションを紹介します。

ドローンのメーカーやインテグレーターにとって、推進系の選定はUAVの成否を決める重要な設計判断です。適切なドローン用モーターのサイズは、飛行の安定性、効率、搭載能力に直接影響します。組み合わせが不適切だと過熱や故障の危険があります。本ガイドでは、産業用途や業務用途の厳しい要求を満たすための最適なモーター仕様の選び方を、技術面から説明します。

適切なドローン用モーターサイズの選び方 — 掲載図版

ドローン用モーターの仕様を理解する

最適な推進ユニットを選ぶには、まず業界で用いられる標準的な表記を理解する必要があります。

1. モーターサイズの表記(ステーター寸法)

モーターサイズは通常、2212や5010などの4桁の数字で表されます。これはモーターの外装寸法ではなく、ステーターの寸法を示します。

・最初の2桁(例:22):ステーター直径をmmで表します。一般に直径が大きいほど高トルクとなり、大きなプロペラを効率よく駆動できます。

・最後の2桁(例:12):ステーターの高さをmmで表します。高さが増すと銅巻線を多く収容でき、放熱性と連続出力が向上します。

産業用途では重い荷物を支える60xxや80xxなどの大きなステーターが一般的で、14xxや22xxなどの小型モーターは軽量な点検用機や群制御ドローンに使われます。

2. KV値(速度定数)

KV値(RPM/Volt)は、無負荷時に印加電圧1V当たりで得られる理論回転速度を示します。

・高KV:高速で回りますが、1回転当たりのトルクは小さくなります。小型プロペラや速度重視の用途に適します。

・低KV:回転は低速ですが大きなトルクを発生します。重量物運搬や長時間飛行向けの大型プロペラ(例えば6S~12Sバッテリー構成)で重要です。

3. トルクと推力重量比(TWR)

トルクは回転速度をどれだけ素早く変えられるかを決め、応答性に影響します。TWRは、総推力と総離陸重量(TOW)の比です。

・ホバリング:安全性と制御のため、少なくとも2:1のTWRが必要です。

・重負荷の産業作業:荷物を搭載した状態で風や緊急操作に対応するには、2.5:1~4:1が理想的です。

適切なドローン用モーターサイズの選び方

適切なモーターを選ぶには、フレーム、搭載荷重、飛行任務のバランスを取る必要があります。

1. フレームサイズ、重量、搭載荷重

フレームの物理的な制約がプロペラの最大サイズを決め、それが必要なモータートルクを決めます。まず、バッテリーと予定する搭載物(カメラ、散布タンク、センサーなど)を含めた全備重量(AUW)を把握します。

基本の考え方:重いドローンが効率よく揚力を得るには、大きなプロペラが必要です。大型プロペラを過熱せず必要なトルクで回すには、直径の大きいステーターを持つ低KVモーターが必要になります。

2. ドローンの用途

・農業・物流:揚力と飛行時間を優先します。大型プロペラを効率よく回すため、低KVで大型ステーター(例:60mm以上)のモーターが必要です。機敏さより安定性が重要です。

・測量・地図作成:長時間飛行と低振動が求められます。中型の高効率モーターと軽量カーボンファイバー製プロペラの組み合わせが、バッテリー持続時間の最大化に適します。

・警備・点検:構造物の周囲で操作するため、飛行時間と機敏さの両立が必要な場合が多くあります。中程度のモーターサイズなら、風の中で位置を保持しつつ、狭い場所に入れる小型性を確保できます。

3. プロペラのサイズと種類を合わせる

プロペラは負荷であり、モーターはその駆動源です。

・直径:大きいほど効率と揚力が高まりますが、モーターのトルクが不足すると電流が増えます。

・ピッチ:大きいほど速度が上がりますが、回すために多くの動力を必要とします。産業用ドローンは通常、安定性のため低ピッチのプロペラを使います。

・ブレード数:2枚羽根は長時間飛行で最も効率的です。3枚羽根はより滑らかな飛行ができ、映像の安定性を重視する場合によく選ばれます。

ドローンの種類別・推奨モーターサイズ

次の表は、各ドローン用途にモーター仕様を合わせる際の参考です。「S」はSeriesを表し、バッテリーセルの直列接続数を示します。例えば4Sは4セルの直列接続で、公称電圧は14.8Vです。

ドローンの種類フレーム/プロペラサイズ(代表値)推奨モーターサイズ(ステーター)代表的なKV範囲(電圧)TWR(推力重量比)電圧構成(セル数)
マイクロドローン/Tiny Whoop65~85mm/1.5~3インチ06xx~08xx1S:18,000~30,000超KV、2S:12,000~14,000KV約2:1~3:11S~3S
Cinewhoop(映像撮影用FPV)3~4インチ/140~180mm1507~20xx4S:2500~5000KV、6S:1500~3000KV約2.5:1~3:14S~6S
FPVレーシングドローン5インチ(3枚羽根)/195~225mm22xx~23xx4S:2500~3000KV、6S:1900~2300KV5:1以上(8:1以上も多い)4S~6S
フリースタイルFPVドローン5~7インチ/195~330mm23xx~28xx4S:2300~2700KV、6S:1700~2100KV約4:1~5:14S~6S
長距離FPV7インチ/300~330mm25xx~28xx4S:1600~1900KV、6S:1000~1400KV約2:1~4:14S~6S
長時間飛行/地図作成10~17インチ/400~500mm30xx~35xx400~1200KV約2:1~3:16S~12S
VTOLの揚力用モーター揚力用プロペラ:13~18インチ28xx~35xx500~900KV約3:1~4:16S~12S
重量物運搬/産業用20~32インチ4114~812080~400KV約2:1~5:112S~24S

Power Motor:ドローン推進系の専門パートナー

Power Motorは、精密小型モーターと高度な動作ソリューションの有力メーカーです。UAV分野には、重要な飛行任務に必要な高速応答、広い速度調整範囲、優れた信頼性を備えたカスタムブラシレスDC(BLDC)ドローン用モーターを提供しています。

小型ドローン用モーターの専門性は、20年以上の経験に裏付けられています。2001年以来、年間3,000万台を超えるモーターを生産し、自動車からスマートホームまで幅広い産業に信頼できるソリューションを提供してきました。

厳しい国際品質基準と豊富なモーターの知見により、小型ドローン向けでも重量物運搬向けでも、極めて高い精度と安定した品質の製品を提供します。

まとめ

ドローン用モーターのサイズ選定は、効率、安全性、任務の信頼性に直接影響するシステム全体の判断です。フレーム設計、搭載荷重、用途の要求に仕様を慎重に合わせることで、最適な性能と耐久性を実現できます。個別の助言や実績ある推進ソリューションについては、Power Motorの専門サポートへお気軽にご相談ください