技術ガイド

車載ブラシレスモーターコントローラーの概要

車載で使われるモーター方式と、マイクロコントローラー、ゲートドライバー、MOSFET、ホールセンサーからなる制御システムの構成と動作を紹介します。

機械・電子システムで連続した回転運動があるところには、モーターがあります。現代の自動車では、走行効率と同じくらい快適性が重要であり、モーターが中心的な役割を果たします。窓、シート、ステアリング、ターボチャージャー、ボンネット、ブレーキなど、各部に電動モーターが使われています。ただし、モーターは自力で始動・停止するわけではありません。電子制御ユニット(ECU)で制御される他の多くの自動車部品と同様、モーターにも駆動を担う制御システムがあります。以下に、その制御システムに関する自動車技術者の知見を紹介します。

自動車で使われる主なモーター方式

モーターは、自動車の安全性と快適性を高めるため、自動車産業で広く使用されています。用途に応じ、主に三つの種類があります。

1. ブラシ付きDCモーター:コイルとローターの間にカーボンブラシを備え、整流の役割を果たします。車載DCモーターは、MCUや駆動ロジックなどの補助電子システムなしで動作するパワーウインドー、シート制御、その他の同様の機械部品に広く使われています。

2. ブラシレスDCモーター:ローターに永久磁石を使います。モーターのコイル(ステーター)に電流が流れると、永久磁石であるローターが回転し始めます。

3. AC誘導モーター:電気自動車の駆動系で最も広く使われ、ファラデーの電磁誘導の法則に基づいて動作します。コイルの交流が回転磁界を作ってローターを動かし、供給する交流の周波数を変えることで速度を調整できます。

車載ブラシレスモーターコントローラーの構成

自動車のブラシレスモーターシステムはモーターとコントローラーで構成され、コントローラーは車両の他のECUと同様、本質的には電子制御ユニットです。モーター駆動ロジック(ソフトウェア)を移植したマイクロコントローラーと、その他のモーター制御周辺回路(ハードウェア)を統合します。モーターを意図どおりに駆動するのはソフトウェアアルゴリズムです。ゲートドライバーチップやMOSFETなどの周辺部品は制御システムの一部であり、異常フィードバック処理、信号調整、電流・電圧の増幅などの補助作業を行います。主な構成部品は次のとおりです。

1. マイクロコントローラー:マイクロコントローラーユニット(MCU)は、基本的にモーター駆動ロジックを格納する部品です。例えば電動パワーステアリングでは、操舵制御アルゴリズムをMCUプラットフォームに格納します。アルゴリズムはパルス幅変調(PWM)信号によってモーター速度を変えます。入出力ボタンをMCUに接続でき、出力PWM信号は制御システムの次の主要部品へ送られます。

2. ゲートドライバーIC:プリドライバーとも呼ばれる次の主要部品です。MCUからPWM信号を受け取り、MOSFETに適した信号に増幅します。MOSFETも通常は電圧増幅に使うため、なぜゲートドライバーチップが必要なのか、当初は疑問がありました。説明によると、MOSFETの動作にはしきい値電圧が必要で、ゲートドライバーICがその電圧を供給します。また、チップ内の信号調整アルゴリズムがノイズを除去し、信号を滑らかにします。

3. MOSFET:電界効果トランジスターで、数mAの電流を最大10倍に、小さな電圧を数百Vまで増幅できます。モーターへの電流の流れを切り替えるにはスイッチング時間を最小限にする必要があるため、MOSFETは制御システムに不可欠です。

4. ホールセンサー:車載モーター制御では、モーターの位置を検出する役割を担います。基本的には、流れる電荷に永久磁石を作用させると電圧を発生するセンサーです。ホールセンサーをローターに取り付け、コイルへの通電前にローター位置を把握します。

下図にブラシレスモーター制御システムの構成を示します。

車載ブラシレスモーターコントローラーの概要 — 掲載図版

ブラシレスモーター制御システムの動作原理

始動・停止信号はマイクロコントローラーから出力されます。ブラシレスDCモーターはホールセンサーを使ってコイルを駆動します。MCUがホールセンサーの入力からローター位置を判断し、その位置に応じてコイルを励磁して回転電界を作ります。この磁界に伴ってローターが動きます。

自動車における代表的なモーター用途

ブラシレスDCモーターは、操舵制御アルゴリズム、PWM、電流ループPI制御などの機能を持つマイコンによって制御されます。

シート調整:電動調整シートもモーターで駆動します。高度な制御アルゴリズムによって、シートが衝撃を伴ったり急に始動・停止したりすることを防ぎます。これをソフトストップ/ソフトスタートと呼びます。

電気自動車の駆動系:多くの電気自動車は駆動系にAC誘導モーターを使います。三相交流を供給すると回転磁界が生じ、交流電源の周波数を変えることで車輪の速度を調整できます。

モーターの役割が最も顕著に表れるのは電気自動車です。中核部品はDC・ACモーターで構成され、その中でも最先端に位置するのがブラシレスDCモーターです。Power Motorは、最小限の投資で最大限のモーター出力を得られる車載ブラシレスモーターコントローラーへ積極的に投資しています。