AC直巻とユニバーサルの電源対応、構造上の変更、速度特性、用途の違いを紹介します。
家電を含む機械装置のモーターは、使う電流によって一般にAC、DC、ユニバーサルの三種類に分けられます。それぞれに固有の特長と能力があります。三つを同時に扱うより二方式を比較する方が理解しやすいため、本記事ではAC直巻モーターとユニバーサルモーターを取り上げます。
AC直巻モーターは、基本的にはDC直巻を改良したものです。DC直巻を交流で動かそうとすると、過熱しやすく十分な出力が出ないなど、多くの問題が生じます。そのため交流対応へ変更します。電機子と界磁の巻線・接続はDC直巻と同じですが、磁気回路を積層化して低磁気抵抗とし、コイルと整流子の接続に高抵抗リード線を用います。これらの変更で単相交流を利用できます。
一方、ユニバーサルモーターは単相ACとDCの両方で動くため、その名が付いています。両電流に対応するよう大きく改良されています。同じ電圧なら、交流側の電圧降下のため、DCでの速度がACより高くなります。興味深いのは、ACでもDCでも、その設計と変更によってDC直巻モーターとして動く点です。全負荷では低速、軽負荷では高速になります。
用途と利点にも違いがあります。ユニバーサルは、ブレンダー、フードミキサー、掃除機、ミシン、電気シェーバーなどの家電でよく選ばれ、業務用ではドリルや大型機械にも使われます。AC直巻には、ユニバーサルより効率、信頼性、耐久性が高いという利点があります。ユニバーサルのブラシは摩耗しやすく、火花が整流子を損傷する可能性があるためです。

